観光庁は4月28日、観光圏整備法に基づく観光圏として、新たに15地域を追加認定した。釧路市と弟子屈町でつくる釧路湿原・阿寒・摩周観光圏(北海道)や新潟市と佐渡市が海をはさんで形成するトキめき佐渡・にいがた観光圏(新潟県)、3県の5市町で構成する玄界灘観光圏(佐賀県、福岡県、長崎県)などが誕生した。追加認定により観光圏は合計で45地域になった。補助事業を導入できる新規の観光圏認定は今回で最後となる見込み。
観光圏は観光圏整備法の施行に伴い、2008年度に16地域、09年度に14地域を認定。観光圏整備実施計画の認定を受けることで、体験プログラムの開発や二次交通整備につながるソフト事業の補助金交付などが受けられる。補助事業のほかにも、着地型商品を宿泊施設で販売できる旅行業法の特例の適用、社会資本整備導入での支援などがある。
釧路湿原・阿寒・摩周観光圏は、「自然と共生し、世界と交流する観光のくにづくり」をテーマに、自然や食の魅力を国内外に発信し、ニューツーリズムなどを充実させ、滞在日数を延ばす。
トキめき佐渡・にいがた観光圏は、新潟市を入り口として佐渡に観光客を周遊させるほか、子どもたちの農山漁村体験活動の受け入れ態勢を整備する。
玄界灘観光圏は、アジアのゲートウェイ(玄関口)を目指す福岡市をはじめ、佐賀県の唐津市、玄海町、福岡県の糸島市、長崎県の壱岐市が参加。体験ツアーや農家民泊などを売り込む。
このほかにも、めでためでた花のやまがた観光圏(山形県の14市町)が、温泉や食の提供を通じた健康温泉保養地としての整備を推進。越中・飛騨観光圏(富山県の6市、岐阜県の2市1村)は、海山の恵みを併せ持つエリアとして、集落景観や祭りなどの観光資源を含めて通年型観光を確立する。瀬戸内海の島々を含む香川せとうちアート観光圏(香川県の17市町)は、今年開催の「瀬戸内国際芸術祭」の成果を生かしながら、交流人口の拡大を目指す。
観光圏への補助金の今年度予算額は5億4200万円。45地域のうち今年度に補助金が交付されるのは41地域。新規の立山黒部アルペンルート広域観光圏、伊豆観光圏、知多半島観光圏、既存地域の新たな青森の旅・十和田湖広域観光圏は、今年度は補助事業の導入はなく、特例制度などを活用して観光地づくりを進める。